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2022.04.15

その顧客分析本当に役に立ってる?儲けを出さない残念な顧客分析から脱却する方法とは

その顧客分析本当に役に立ってる?儲けを出さない残念な顧客分析から脱却する方法とは

“現在EC業界では、少子高齢化の影響による人口縮小や、コロナ禍でのリアル店舗での経営が困難になったことによるEC事業への参入で競争が激化し、新規客の獲得が難しくなっている状況です。それと相まって、新規客の獲得を目的としたWeb広告のコストも高騰しており、販促費率が高くついてしまいなかなか儲けが出ないケースが多く見られます。

昨今これらの波を受けて、LTVというキーワードが注目されています。
LTVとはLife Time Value…「生涯顧客価値」で、1顧客当たりの購買金額を指します。

有効な顧客分析をすることで、新規客に依存せずLTVを高めて儲けを生み出すことができるようになります。
どの企業でも顧客分析の取り組みを進められていると思いますが、果たして今のやり方は本当に価値がある分析になっているのでしょうか。

今回のコラムでは、新規客の獲得に依存せず、儲けを生み出すための有効な顧客分析の方法についてご紹介いたします!

1.顧客分析の意味は?

企業の売上を上げるための施策として、基本的には売上実績から分析を行い、次のアクションへと展開していくことになります。

その取り組みの中で、これまでの売上の分析の切り口として主流だったのは以下の2つでした。

①商品別売上高
商品カテゴリ・SKU別の年間の売上高の伸び率や売上構成比を分析した上で、
注力商品の選定やその商品のプロモーション強化への施策に転換することができます。

②チャネル別売上高
店舗やECサイト、卸などのチャネル別の売上高の比較を通じて、どのチャネルを強化して
売上を伸ばしていくのかという考え方になります。

上記の分析の切り口では、事業の全体を俯瞰して見ることはできますが、
売上を作り出している顧客の実体が把握できません。
そのため、強化施策の判断としては、伸びている商品・チャネルへの販促費を増やして、
更に売上を伸ばしていく、という判断になりかねません。

その結果、販促費率が上がっている一方で、新規顧客の獲得が思うように伸びていかず、
儲けが出ない。。というパターンが起きてしまうのです。

このようなこれまでの分析のアプローチの解決策として重要なのは、蓄積した顧客の購買データを利活用することになります。

顧客の中には、高い売上構成比の顧客がいれば、低い売上構成比の顧客が存在しています。この2つの顧客を分析していくことで、より精度の高い強化施策を見出すことができるようになるのです。

では、顧客分析を進めていくうえで、有効な分析方法とは一体何なのでしょうか?

 

2.有効な顧客分析に重要なLTV起点の考え方とは?

LTVとは「生涯顧客価値」という意味で、顧客1人当たりの全体の売上に占める金額と言い換えることができます。
つまり、有効な顧客分析を行うためには、LTV起点に顧客の売上貢献度を見ていくという考え方が必要になります。

顧客の売上貢献度を見ていくためには、年間LTVが高い『顧客の購買ルート』を抽出することから始まります。
具体的に言うと、直近1年間の中で、初回に購入した商品、2回目購入した商品、3回目に購入した商品、N回目に購入した商品、と年間LTVが高い顧客がたどっている購買商品を見ていく流れになります。
また、何日後に次の商品を購入したのかを時系列でのデータを見ていきます。
さらに、どの媒体から購入につながったのか媒体別でも見ていきます。

この年間LTVを起点とした顧客の購買履歴を見ていくと、LTVが高い顧客の購買ルートを描くことができ、LTVが低い顧客をこの購買ルートに引き上げていくことができれば、
結果的に新規客に依存しない、売上高の最大化に導くことができるようになります。

 

3.顧客分析の先の打ち手は?

年間LTVが高い顧客の購買ルートを抽出し、次の取り組みは、年間LTVが低い顧客を購買ルートへ引き上げることになります。
具体的な施策は、以下になります。

①カスタマージャーニーマップの設計
カスタマージャーニーマップとは、抽出した購買ルートをより詳細に落とし込んだ設計図になります。内訳としては、以下になります。
1)初回の購入から何日後に次の購入へ導くのか(時系列)
2)時系列ごとに顧客のニーズや課題は何なのか(課題・ニーズ)
3)購入へ導くために必要な顧客体験は何を提供すればよいのか(CX)
4)顧客体験は何の媒体を使用して伝えればよいのか(顧客接点)

②施策の展開
上記のカスタマージャーニーマップができ上がり、次に実施するのは、各項目の展開です。
例えば、メルマガやLINE,DMなどで、1回目の購入から1週間後に「セット商品の紹介」をする
といった具体的な取り組みへと落とし込むことです。

このような一連の施策を通じて、これまでは新規顧客から売上を作っていく状態から、
既存顧客から売上を最大化していくという考え方で、顧客分析を実施頂くことが重要です。

 

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https://subsc.funaisoken.co.jp/subsc/


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著者情報

横窪 勇太

株式会社船井総合研究所
ECグループ アソシエイト

横窪 勇太Yuta Yokokubo

明治大学政治経済学部を卒業後、2020年に船井総合研究所に新卒で入社。入社以来一貫してデジタルマーケティングに従事し、これまで、士業・保険代理店・自動車・食品・小売・不動産・専門サービス業のWeb・SNS広告運用、Webサイト・メディアサイト立ち上げ・活性化などを経験。2021年よりBtoB、BtoC向けのEC立ち上げ・活性化を中心に行っている。