□これからEC事業を本格的に進めていきたい
□でもどうやって立ちあげたらいいのかポイントがわからない
□すでにEC事業をしているけれど、なかなか売れない
そんな方に特に知っていただきたい
通販を始める前に押さえたい商品のキホンについて前回よりさらに深堀してお伝えします!
商品をつくる2つの基本の考え方
前回のコラムでは、売れる商品をつくるための2つの基本的な考え方をお伝えしました。
①プロダクトアウト発想
=「こんなものがあれば売れる!」という商品を起点に考えて新しい市場を創造する
②マーケットイン発想
=お客様の「あったらいいな」をカタチにする需要を起点に考えて商品をつくる
どちらも商品を開発するうえで重要な軸です。
しかし、プロダクトアウト発想にこだわってしまうと、独自性は出る一方で、ニーズやターゲットを拾えていない商品ができてしまうことがあります。多くの企業の開発担当者が陥りがちな「これなら売れる!」という思いは時として売れないグッズ、「バッズ」になってしまうのです。「これをつくりたい=売れる」ではないことを念頭において商品づくりをすることが重要です。
そこで、PMFの考え方を念頭に置きながらマーケットイン発想で市場性、ニーズを分析しながら、マーケットシェアの狙える商品づくりをすることの重要性をお伝えしました。
※PMFとは「Product Market Fit」のことで、自社のプロダクトやサービスが、あるマーケットに適合(フィット)している状態=商品が顧客に支持されている状態です。
通販事業でいえば、自社商品が顧客に支持され、一定規模の売上を生み出せている状態のことをさすでしょう。
PMFは3つの要素で成り立っています。
商品・市場・媒体です。
簡単に言えば、PMF=通販事業で成功するには、「正しい商品を」「正しい市場に」「正しい方法で」売ることが必要になります。
通販事業のみならず、どんなビジネスにおいても、大前提としてこの3つの要素それぞれが最適であれば、PMFを実現することができます。
今回は、このマーケットイン発想でつくる商品開発の3つのポイントについて深掘りしてお伝えします!
売れる商品づくりの3つのポイント
さて、弊社では化粧品など多くの商品開発に携わってきましたが、これまでお伝えしたように商品開発はやみくもに「これをつくりたい」という思いをただ形にするだけではうまくいきません。
「マーケットイン発想はわかった。じゃあどうやって商品をつくればいいのか?」
「どんなことに気を付けたら失敗しないのか?」
このように商品の作り方についてお悩みをお持ちの会社様でも、これからお伝えする失敗しないための3つのポイントを抑えることで、せっかく投資をかけてつくった商品が「バッズ」になってしまうのを防ぐことができます。
①市場を捉える
市場を捉えるとは、参入する市場の成長性を捉える意味があります。
ですが、それだけではありません。市場を捉えるとは、「時流適応」するという意味も含まれます。どういう意味でしょうか。
市場のトレンドは、常に目まぐるしく変化しています。
トレンドに先駆け、顧客に新たな価値を提供する企業はマーケットシェアをとっていきます。一方で、市場成長性がないマーケットの場合、既存のマーケットボリュームで戦うしかないため、結果的に時流に追いつけない企業は、市場規模が変わらなくても自ずからマーケットを狭めてしまうことになります。だからこそ、市場を捉えること、つまり「時流適応」することが重要になるのです。
EC業界は、すでに品揃えを確保すれば売れる時代ではありません。多くの競合がひしめき合い、検索画面の上位を奪い合う世界で、市場内にどんな空白があり、どんな価値を提供できるのか、どんな優位性がもてそうなのか、といった市場を捉えることが売れるEC事業づくりには必要不可欠です。
②顧客を捉える
次に顧客を捉えることです。顧客とは自社の商品を購買するターゲット像です。
弊社に多く寄せられるご相談でお話しを聞くと、ざっくりと40代女性主婦などと曖昧な設定になっていたりします。年代でターゲットを絞ることはよくある手法ですが、40代女性主婦の中にも様々な属性があります。生活様式や趣味嗜好など、年代や職業だけでなく、「自分の商品が必要な人」はどんな生活をしていてどこで自社商品を知るのかカスタマージャーニーを描くことが必要です。
また、ターゲット像をつかむのに、ペルソナを設定する場合も多いでしょう。しかし、気をつけて欲しいのが、ペルソナはあくまでも架空の人物だということです。
ペルソナを設定する場合、時として自社が「こんな顧客に買ってほしい」という理想だけが詰め込まれた実際の購買層とは乖離が生まれたターゲット像ができてしまうことがあります。
これを防ぐために、実店舗での購買客やサンプルを使用してもらいヒアリングを行ったりすることで、顧客を起点としてターゲット層をつかむことができます。同時に行うキーワード調査も全体的な市場ニーズを知ることに効果的ですが、顧客を起点として購買層を探ることは、より本質的でキーワードでは把握できない潜在的な情報を得ることに優れています。
このようにターゲット層を明確にした後は、その購買層がどんなニーズをもっているのか、どのような購買軸や価値観を持っているのかなど、商品を作り上げる上で必要な要素となる情報を深堀してきます。
③競合を捉える
最後の3つ目の要素、競合を捉えるとは、市場における競合商品の状況や立ち位置を明確にし、自社が参入するポジションを決定することを意味します。
「こんなモノが飽和している市場でどうやって自社の商品が売れる道なんか見出すの?」とよくご質問をいただきますが、商品のことを「化粧水」や「ワンピース」とカテゴリで考えてはいませんか?そのように考えれば、確かに世の中にはすでに同様の商品がありふれています。
商品を因数分解すると、
・機能性価値
・価格性価値
・デザイン性価値
にわけることができます。
機能性価値とは、「部屋のホコリを吸う為の掃除機」のようにその商品の本質的な価値になりますが、さらに細かくみるとその商品によって得られる顧客体験である「JOY型便益」と悩みを解決する「JOB型便益」に分けることができます。
掃除機で言えば、「部屋のホコリを吸う」ことはJOB型便益になります。JOY型便益は、「コンパクトなフォルムで部屋のスペースをとらない」といったような、その掃除機を使うことによって得られる顧客体験になります。
機能性価値はもっともマーケットイン発想の考え方が影響する要素です。①市場②顧客を明確し、これらの価値要素を独自に組み合わせることによって他社との差別化が生まれます。
そして、競合の商品とのこれらの要素比較や価格帯調査によって、自社が優位になるように機能性価値、価格性価値、デザイン性価値をチューニングし、最終的な自社の狙うポジショニングを決定することができます。
ここまで売れる商品をつくるための3つのポイントについてお伝えしましたが、EC事業を成長させるためには、商品のみならず、いかに顧客セグメントやカスタマージャーニーに沿って初回購入をしてもらうか、リピート購入をしてもらうかといった戦略も欠かせません。
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著者情報
株式会社船井総合研究所
ECグループ アソシエイト
杉浦 茉歩Maho Sugiura
静岡県出身。
新卒で船井総合研究所に入社。
賃貸支援部での管理会社業績アップ支援、また整骨院・整形外科分野にてSNSを活用した集客強化に従事。
現在はECグループにてEC業績アップに関するマーケティング支援をはじめ、市場調査、業務管理及び営業支援ツール作成など、経営者と伴走することを軸に業績アップへの様々なサポートを行っている