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2022.01.29

【中小企業DX推進の真骨頂!】BIツールとは?初心者にも分かりやすく解説!

【中小企業DX推進の真骨頂!】BIツールとは?初心者にも分かりやすく解説!

データの活用ができずにお困りではないでしょうか。昨今ではデータの量が増え続け、大量のデータを有効活用しなければいけません。データの見える化や迅速な経営判断を可能にするBIについて解説します。

BI(ビジネスインテリジェンス)とは?

エクセルにデータを入力しているが、データの傾向が読み取れない。データの入力をしてもデータが全社で共有されないため、迅速な経営判断ができない。

これらの問題はエクセルや基幹系システムでのデータの管理をしていれば当然起こる問題です。

BIとはビジネスインテリジェンスの略であり、BIツールは企業の様々なデータを集めて分析・見える化し、迅速な意思決定を助ける役割を果たしています。

営業やマーケティング分析などに活用する企業が増えている注目のツールです。

BIという概念は1958年にハンズ・ピーター・ルーン氏によって提唱され、データを集めて活用することのできる能力と解釈されていました。

企業が多数のコンピュータを導入できるようになり、使ったデータの分析や加工のニーズは増加し、専門家以外が自分の端末から自由に分析するEUC(End User Computing:エンドユーザーコンピューティング)という考えや、意思決定を助けるための社内データベース DWH(Data Ware House:データウェアハウス)という概念が発達しました。

しかし、専門家でないと使いこなせないツールもあったため、誰でも使える現在のようなBIツールが求められるようになったのです。

1989年には、BIの概念がアメリカのアナリストであるハワード・ドレスナー氏によって整理され、従来の専門家にしか扱えないような意味合いから、誰でもデータの収集・分析・加工を行うことで、早く意思決定を行えるようになるための手法、という現在の意味合いに変化しました。

BIの歴史から専門家ではないユーザーからでもデータのアクセスや利用が容易になっていることが伺うことができます。

デジタルなデータの活用が専門家ではないと難しいと感じていた方でも、時代の流れと共に専門家ではなくてもデータの活用が可能になっていることを理解すると、データの活用が身近に感じられるのではないでしょうか。

現在のBIには3つの機能が備わっています。

  • データの統合
  • データの可視化
  • データの分析

1つ目はデータの統合機能です。企業活動を行う際には、顧客データや売上データなど様々なデータが発生します。

データの保存箇所が一か所にまとまっていなかったり、紙で保存していたりしては、まとめる作業に時間がかかり素早く意思決定することが困難になってしまいます。

BIツールでは、顧客管理システムなどと連携することによって様々なデータを一元管理することができるので、使いたいデータをすぐに使うことが可能です。

2つ目はデータの可視化機能です。データをエクセルのまま提示されても数字の羅列になってしまい、分かりにくく分析ができません。

グラフにまとめることで数字の傾向がわかりやすくなり、良質な意思決定が可能となります。

BIの場合グラフが作成可能なだけではなく、最新のデータを反映したグラフが自動的に作成されるため分析したいときに毎回グラフを作成する手間が省けます。

3つ目はデータの分析です。データの相関分析やデータの中から価値のある法則性を見つけ出すことが可能になっています。

いくらBIによりデータが統合、可視化されているとしても膨大なデータの中でどこが重要かを見つけ出すのは困難です。

重要なデータの抽出にもBIは役立ちます。

基幹系システムとの違い

図1 基幹系システムとの違い

BI導入で得られる具体的な機能

先ほどBIの概要について触れましたが、次に具体的なBIの機能を解説していきます。

BIにもさまざまな種類があるため搭載している機能には違いがありますが主な機能を押さえましょう。

こちらも3つの機能に分けることができます。

  1. データの管理
  2. 分析の機能
  3. レポーティングの機能

まずはデータ管理の機能を解説します。

1.データの管理

データウェアハウス(DWH)

DWHは大量のデータを蓄積し、わかりやすい形に並び替える機能です。基幹系などのシステムから目的に応じてデータの再編成を行います。 具体的には時系列、顧客別、担当者別などデータの表示方法を変更し、分析しやすい状態にすることができます。

2.分析の機能

OLAPと多次元データベース

高度なデータの分析を必要としたユーザー層のニーズを満たすために、OLAP(On Line Analytical Processing)と呼ばれるデータ処理方式を実装した多次元のデータベースによる処理方式が存在します。3つのデータ分析操作を押さえることでOLAPを理解しましょう。

ドリルダウン

ドリルダウンではデータの集計レベルを掘り下げることで詳細なデータを分析できます。例えば国別にみていたデータを都道府県別に見る、年別で見ていたデータを月別で見るなどです。

ダイシング

グラフの表の片方の軸を変更しながら分析をすることをダイシングといいます。 例えば片方の軸を「月別」で設定した上で「商品」、「支店」、「地域」なども片方の軸を切り替えながら分析をしていくことで「月別の商品売上」、「月別の支店売上」のように期間×項目別の売上などの欲しいデータが閲覧できます。

スライシング

スライシングでは見たいデータの絞り込みを行います。全社の売上推移から商品別の売上推移を絞り込むなど必要なデータに絞り込んで分析することができます。

データマイニング

データマイニングとは大量のデータに対してパターンの認識、人工知能を用いることで意思決定に有用な情報を抽出する方法のことです。

データマイニングをするためにはまず大量の情報を保管しておく必要があるため、データウェアハウスなどデータを蓄積、分類しておく機能と組み合わせて使うことにより有用な情報を取得できるでしょう。

プランニング機能

過去のデータから売上や利益がどのように変化するのかを分析する機能です。為替や原価が変化した状況を入力することで売上や利益にどのような影響が出るのかを算出することができます。予測できないことの多い時代だからこそ上手くいったときの状況、上手くいかなかったときの状況の両方を想定し、どのように対応していくのか計画を策定していかなければいけません。

3.レポーティング機能

レポーティングの機能を用いることでデータの可視化をして、迅速な意思決定につなげることができます。

定型レポート

定期的に定められた期間のレポートを自動的に作ることができます。月ごとに売上や商品の売れ行きなどをレポートで見ることができれば先月に比べ、どのような変化があったのか、今のままで経営方針は合っているのかなど分析をすることができます。

アドホックレポート

アドホックレポートではユーザーの必要に応じて少ない抽出されたデータから一つの回答をレポートとして出すことです。定型レポートでは扱わないような特別な状況や問題を把握し分析することができます。 大きなイベントを行う際はいつもとは違う数字の傾向が現れます。そこでアドホックレポートを用いることでイベント時のデータのみを分析し、イベント単体での分析をすることができます。

4.まとめ

これまでデータの管理、分析、レポーティングまで見てきましたが基幹系システムやエクセルでは難しい領域が多いのではないでしょうか。これから扱わなくてはいけないデータが増えるにつれてBIを有効活用していく必要性が出てくるかと思われます。

著者情報

横窪 勇太

株式会社船井総合研究所
ECグループ アソシエイト

横窪 勇太Yuta Yokokubo

明治大学政治経済学部を卒業後、2020年に船井総合研究所に新卒で入社。入社以来一貫してデジタルマーケティングに従事し、これまで、士業・保険代理店・自動車・食品・小売・不動産・専門サービス業のWeb・SNS広告運用、Webサイト・メディアサイト立ち上げ・活性化などを経験。2021年よりBtoB、BtoC向けのEC立ち上げ・活性化を中心に行っている。