マーケテイングコストの削減方法について解説しています。マーケティングをプロセスに分解し、各プロセスでどのようにコスト(費用や工数)を削減するのかや、マーケティングオートメーションツールによる効果検証についても触れます。
1.マーケテイングコストとは?
マーケテイングコストとはマーケティングを行う上でかかる費用のことです。
マーケティングが市場の調査から始まり、広告を出し、そこからマーケティング施策の効果の検証をするというプロセスを指します。
そのため、大きく分けると市場調査費用、広告費用、効果検証それぞれの費用の削減に分けられます。
図1マーケテイングプロセス
2.市場調査のコスト削減方法
マーケティングの最初のプロセスである市場調査の段階では膨大なデータの収集をするため、多くの時間がかかるという問題点があります。
信憑性のある情報を収集しようとした場合に公的な機関が出しているレポートを参考にすることができます。
しかし、そこから必要な情報を見つけ、分析し、レポートまで作成するのには多く手間と時間がかかってしまいます。
膨大な情報がネットに掲載されているのにも関わらずそれをマーケティングの施策に活かすことができないのは非常にもったいないです。
市場調査のコスト削減の方法としては市場調査に必要な情報をまとめたプラットフォームの活用が有効です。
市場調査、業界分析、競合調査などマーケティング施策決定に必要な情報を体系的かつ網羅的にまとめているプラットフォームサービスを利用することにより、市場調査にかける時間の削減が可能になります。
このようなサービスでは市場調査に必要となるような重要な指標が既に調べられている、レポートの作成までブラウザ上で完結してできるなどのメリットが挙げられます。
市場調査にかかる時間や人件費の削減を行うことで注力しなければならない意思決定などの業務に時間をかけることが可能になります。
3.広告費用の削減方法
広告費の削減方法としてよく取り上げられているのは出稿先のメディア(具体的にはテレビ、SNS、ラジオなど)の切り捨てを行うということです。確かに効果のなさそうな広告が明確な場合にはそのような決め方でも問題はないかもしれません。
しかしどの広告がどれだけ効果を出しているかがわからなければどの広告を削減すれば良いか判断がつきません。
このような場合の解決策は主に二通りあるので解説します。
①全てのメディアの広告費を下げる
一つ目の解決策としては一つのメディアの削減のみを行うのではなく、全てのメディアにかけている費用の削減を行うということです。
一つのメディアを切り捨ててしまった場合に効果の出ている広告まで切り捨ててしまう危険性を負うことになってしまいます。
しかし全体の費用を下げることで無駄なコストをなくすことのできる可能性が高くなります。
なぜかというと農業などで用いられる収穫逓減の法則が広告の無駄な費用について考えるときでも当てはまることが多いからです。
収穫逓減の法則とは農業で使う土地を拡大し始めた初期の段階では収穫量も土地の広さに応じて増加していくのですが、ある時点で土地の広さを拡大しても収穫量があまり増加しなくなる現象です。
つまり広告費用が少ない時には目に見えて広告の効果があったとしても、ある段階から予算の上乗せをしすぎている可能性があるということです。
具体的な手順としては広告費用に対して成果が出にくくなってしまった段階はいつなのかを振り返り、そこまで広告費を一度減らしてみるなどの方法があります。
②商品やサービスを認知してもらうための広告費用の削減
マスメディア(新聞・雑誌・テレビ・ラジオなどの媒体)広告は売上への直接的な影響が少ないため、削減しやすい費用です。
顧客に認知してもらうためには不特定多数の多くの顧客に対して広告を打たなければなりません。
不特定多数の多くの顧客に対して広告を見せるためには配信量が膨大になりますし、認知を広げる広告は顧客の選択肢の一つとして認識してもらうだけなので、費用削減の際には削減する対象として有力な候補になるでしょう。
4.効果検証の方法(マーケティングオートメーションによるコスト削減)
マーケティングは見込み客の獲得、見込み客の育成、見込み客の選定、営業・成約のプロセスで進んでいきます。
見込み客獲得のための具体的な業務内容としてはSEO(検索した際にwebページの上位に表示するための対策によるウェブでの注目度の向上、セミナーの開催などが挙げられます。
見込み客獲得をする際に気を付けなければいけないのは顧客の量と成約のしやすさを調整することです。
営業の立場からすると成のしやすい顧客の営業リストが欲しいため契約が結びやすい顧客に絞り込もうと考えがちなのですが、見込み顧客獲得の段階で顧客を絞り込みすぎてしまうと潜在顧客を取り逃してしまうことにもなりかねません。
優良顧客選定のために長いアンケートに答えてもらうなど情報収集をするために顧客側に負担をかけてしまうと営業をかける前の段階で顧客に逃げられてしまいます。
しかし顧客の量を求めすぎてしまうと成約率が低くなり、営業の負担が大きくなってしまいます。
そのため顧客の量と成約のしやすさの両方に気を配りつつ見込み客の獲得を行うことでバランスの取れた顧客基盤を作り上げることができるといえるでしょう。
次に見込み客育成の段階ですが、ここでは顧客が抱えてる問題を顕在化し、売りたい商品の必要性を認識してもらう活動になります。
具体的にはメルマガの送付を通して商品の認識を高めてもらうなどの方法があります。
見込み客の選定ではメルマガの配信に対して反応が良く、サイトにアクセスし、商品に対して関心のある顧客を絞り込みます。
メルマガがどれだけ開封されているのか、どこまで読まれているのか などのデータを分析することにより、顧客が商品に対してどれだけ関心があるかを測定することが可能です。
自社のサイトがある場合には顧客がどれだけの時間サイトを閲覧したのか、どのページを閲覧したのかを確認することでどの商品にどれだけ興味があるのかというところまで理解することが可能です。
メルマガやサイトの閲覧データにスコアを割り振ることで顧客の関心度を可視化することができるようになります。
他にはオフラインでの展示会やセミナーなどでも情報収集が可能です。オフラインでのイベントの参加率だけでなく、参加後にアンケートを行うことでさらに深い顧客の理解につながります。
しかし潜在顧客を発掘し、見込み客の育成や選定を人力ですべてやるのには限界があります。
マーケティングオートメーションツールを活用することでサイトのアクセス履歴やメルマガの開封率から顧客を自動的にスコアリングし、成約のしやすい顧客の絞り込みができます。
さらに簡易なサイトや登録フォームの作成が可能なので円滑なマーケティング活動を可能にします。
図2 マーケティングオートメーション可能なプロセス
5.まとめ
マーケティングのプロセスを三段階に分けることにより企業全体のマーケテイングコストをどこから削減するべきなのかが明確になると思います。
特に不景気の時には、いかに無駄なコストを見極め、削減をするかが重要になりますので自社の業務プロセスを整理し、マーケティングオートメーションなどで人件費の削減をしていくことも必要になります。
実際にどのようなツールを活用するのか、業績がどれだけ向上するのか詳しいお話いたします。
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著者情報
株式会社船井総合研究所
ECグループ アソシエイト
横窪 勇太Yuta Yokokubo
明治大学政治経済学部を卒業後、2020年に船井総合研究所に新卒で入社。入社以来一貫してデジタルマーケティングに従事し、これまで、士業・保険代理店・自動車・食品・小売・不動産・専門サービス業のWeb・SNS広告運用、Webサイト・メディアサイト立ち上げ・活性化などを経験。2021年よりBtoB、BtoC向けのEC立ち上げ・活性化を中心に行っている。