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2022.01.29

RPAのよくある誤解と人時生産性を上げる3つのポイント

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 DXや業務効率化・人時生産性向上が注目されると同時に「RPA」の認知度も高まってきました。現在、企業規模問わず多くの企業に導入がされていますが、具体的に自社や自身の業務にどのように活用できるか悩まれている方も多いと思います。

 RPAの投資対効果を最大化するために、単にツールを購入するだけでなく最大限活用するための事前計画を立てることをお勧めしています。多くの企業からお聞きした、RPAにおけるよくある誤解を踏まえたうえで、どのように導入をすべきかお伝えいたします。

RPAにおける3つの誤解

RPAでロボットを作成するとすぐに効果は出るのでしょうか?初めに、RPA導入におけるよくお聞きする誤解と実情をご紹介します。

誤解① RPAを導入すれば、すぐに業務を自動化できる

 RPAはメーカや代理店がロボットを提供していない限り、業務内容をロボットに記録させる必要があります。そのためRPA導入後効果が出るまでは、ロボット構築時間分のタイムラグが発生します。

 また、ノンプログラミングで業務を自動化できる事がRPAの一番の特徴ですが、RPAの操作を理解するためには一定のITリテラシーが求められます。つまり、社内でロボットを作成できるようにするためにはRPA人材の育成が必要なため、導入後の展開は事前に計画を立てましょう。

誤解② ロボットが構築できれば、その後はひとりでにうまく回る

 WEBサイトや使用しているシステム・エクセルの改修が行われた場合、その都度ロボットも変更する必要があります。そのため、ロボット構築後も定期的にメンテンナンスを行う必要があります。

誤解③ ロボットの構築体制が整えば、すぐに効果を実感できる

 自動化できる業務を社内で見つけるためには、実際に業務を行っている現場担当者がRPAでどの様なことを行うことができるのかを把握している必要があります。そのため、RPAのロボット構築体制の整備と併せて、社内でのRPAの啓蒙活動を実施しましょう。

 多くの業務を自動化することができるRPAですが、社内の体制整備も併せて実施しなければ効果が半減してしまいます。人時生産性をしっかりと向上させるためにも正しい方法でRPAを導入しましょう。

RPAで人時生産性を上げるポイント

 RPAで成果を出すためには、個人単位で導入するのではなく組織的に導入に取り組む必要がございます。RPAを組織的に導入し、成果を出すための3つのポイントを説明いたします。

POINT①:現場の方にこそRPAの知識をつけて頂く

 システムの導入を行う際、上層部には詳細な説明を行うものの、現場担当者レベルには簡単な説明・サポートしかされないということが多々あります。

 しかし、RPAで自動化すべき定型業務やルーティンワークは現場担当者の方々程多く行っている傾向があります。そのため、RPAを導入する際には、「RPAでどのような業務を自動化できるのか」を現場担当者の方々にも理解していただくための社内研修の実施をお勧めしています。小規模な展開で完結させるのではなく、全社的な展開を前提に導入を考えましょう。

POINT②:自動化した際の費用対効果を明確化する

 既存業務の自動化のために導入がされやすいというRPAですが、導入前後の業務削減度合いを計測しなければ、投資対効果を計測することが困難になります。導入前にどの程度工数をかけているのか、また自動化した場合どの程度削減することができるのか明確化し、優先順位を付けてRPAを構築していくようにしましょう。

 また、ロボットによる業務自動化を行うことで、今まで低頻度(週1回・月1回)でしか実施できていなかった業務が、高頻度(1日1回)で実施できるようになります。人手が足りないゆえに、低頻度になっていた業務はないか、また高頻度で実施した場合業績や顧客満足度にはどのような効果が出るのか明確にし、自動化したい業務を整理しましょう。

POINT③:RPAを活用できるDX人材の育成

 ノンプログラミングで業務を自動化できるのがRPAの特徴ですが、それでも一定のITリテラシーが無ければRPAの構築は困難です。しかし、自動化したい業務が決まる度にRPAの構築を外注していては、投資対効果が悪くなってしまうため、内製化できる仕組みづくりを行う必要があります。

 そのために、①導入を検討しているRPAツールの操作難易度は自社にあっているか②RPAメーカ・代理店のサポート体制は充実しているか、の2点を事前に確認しましょう。

 

 簡単にロボットを作成することができるRPAですが、ツールの選定だけでなく社内の管理体制の整備を行わなければ投資対効果が悪くなってしまいます。「どのような業務」を「どのような順番」で「どのような社員」が自動化していくのかを、事前にしっかりと計画を立てましょう。

 また、船井総研ではRPA研修などRPAの導入コンサルティングも実施しております。

DX化や業務効率化・人時生産性向上のために導入を検討されている方は是非ご相談ください。

 

著者情報

横窪 勇太

株式会社船井総合研究所
ECグループ アソシエイト

横窪 勇太Yuta Yokokubo

明治大学政治経済学部を卒業後、2020年に船井総合研究所に新卒で入社。入社以来一貫してデジタルマーケティングに従事し、これまで、士業・保険代理店・自動車・食品・小売・不動産・専門サービス業のWeb・SNS広告運用、Webサイト・メディアサイト立ち上げ・活性化などを経験。2021年よりBtoB、BtoC向けのEC立ち上げ・活性化を中心に行っている。