①DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
1.DXとは何か?
DX(デジタルトランスフォーメーション)について解説していきます。
コロナ禍でリモート・非接触の生活様式、ビジネス形態へと変化しました。また、政府がデジタル庁を設立するなどコロナが収束しても、アフターコロナの時代では、益々このデジタルを取り入れたビジネスの流れが加速していくことは確実です。今や、DXブームと呼ぶべきこのDXとは、そもそもどのようなことなのでしょうか?
DXの概念は、2004年にスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が
「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるという概念」と定義したことに始まります。つまり、ITがビジネスにおいて、労働環境を改善したり、業績をアップを促進させるといった、プラスの作用をもたらすということです。世界では、2004年にはビジネスのDXが注目されていましたが、日本では、その概念ですら注目されていませんでした。
日本におけるDXは、2018年に経済産業省が「DXレポート~ ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」を公開したことにより、ようやくビジネス界で知られるようになりました。
経済産業省は、DXを以下のように定義しています。
“企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。”
引用元:
経済産業省
「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)Ver1.0」
つまり、従来のアナログな環境化から、デジタルを駆使することで、新たなビジネスモデルを創出することをDXと定義しています。
2.なぜDXが必要なのか
コロナ禍でビジネスのDX化の必要性が浮彫りになりましたが、コロナ禍だからだけの理由で必要なのではありません。DXの必要な理由について解説します。
①デジタル化によるマーケティングの多様化
誰もがスマートフォンを持ち、さらにSNSが生活に欠かせない時代です。このデジタルツールの普及により、個人が検索したキーワードや行動・購買履歴などデジタル上でのアクションのデータが蓄積され、そのデータをもとにマーケティング、いわゆるデジタルマーケティングによって、業績を上げることが一般的になっています。
今後もデータの精度が高まっていくにつれ、企業が個人のお客様に対して、適切な情報を提供することが出来なければ、業績を上げることが難しくなっていきます。
このデジタル社会において、データを追跡、活用できるツールの導入が必要になっています。
②既存のITシステムの老朽化
「25年の壁」と言われる、企業に導入されているITシステムが2025年にはレガシー化され、機能しなくなると言われています。上記のように、デジタルが急成長している時代には、ITシステムを刷新しなければ、多くの事業機会が失われるといわれています。
③消費者のマインドの変化
消費者の購買行動は厳しくなっています。AISCEAS(アイシーズ)という顧客のカスタマージャーニーがあります。消費者は、購入に至るまでにまず企業のHPを見て、さらに実際に購入したお客様の声や口コミを見て、ようやく購入します。企業の接客力をお客様があらゆるデジタル上のデータから比較検討するため、お客様の評価は厳しくなっています。
この消費者マインドに対応するための企業のデジタル化が求められています。
3.デジタルシフトとDXの違いとは
そもそもデジタルシフトとDXは混合されやすい概念ですが、その根本的な違いとは何なのでしょうか?
デジタルシフトとは、デジタルツールを導入して、既存のワークフローを効率化していく取り組みになります。例えば、これまで書類で管理していた顧客情報をデジタルツールで管理できるようにすることや、会社へ出勤していた時間をweb会議ツールや勤怠管理ツールを導入し、リモートでの仕事を可能にする等、本当に必要な業務に時間をかけるために不要な時間を削減する取り組みがデジタルシフトといえます。
しかし、このデジタルシフトは、ある特定の領域を効率化させることには有益ですが、投資対効果はそれほど大きくありません。せっかく顧客管理をデジタルシフトしたのに、情報に付加価値を付けられていない課題やweb会議ツールを導入したが、社員労務管理が可視化できなくて困っているなど、デジタルシフトさせたことがかえって業務を複雑化させたというケースが多くみられます。
DX化つまり、デジタルトランスフォーメーションとはデジタル化に伴う特定の領域だけの効率化を意味するものではなく、各業界・業態の各業務フローの全領域に紐づいた適切なデジタルツールの導入によって、業務プロセスの「転換」や、業態転換、そしてビジネスモデルの転換へまで引き上げていくことなのです。
②船井総研のDXコンサルティング
1.DXコンサルティングの活用
上記のようなDXに取り組みたいが、なかなか実行できない多くの企業様がいらっしゃいます。DXコンサルディングの活用法について解説します。
船井総合研究所では業種に合ったDXコンサルティングのご支援をさせていただいております。当社のDXの定義は3つの分類で考えています。
①業務の効率化(デジタル化)、②新しい価値の向上(CXの向上)、③業績の向上(人時生産性の向上)
①業務の効率化では、新規のデジタルツールを導入し、既存のデジタルツールをRPA,API連携を通じて、業務の効率化へと導きます。これまで非効率だったデータ入力などを全てロボットに任せて、人は営業や企画などへの時間を割けるようになります。デジタルツールの効果的な活用によって、業務の効率化を実現できます。
②新しい価値の向上では、DXによって新たなビジネスモデルを創造することをさします。
顧客データを徹底的にマネジメントすることで、これまではお客様全体に同質のサービスを
提供していたものが、セグメント別に顧客を分類し、シナリオに適した商品、サービスを提供することが、顧客にとって新しい価値(CX)の向上につなげることができます。
③業績の向上
この、個人の顧客単位に適した商品・サービスを提供することによって、結果的にリピート率、LTVの最大化を実現できます。なぜなら、リピートしている顧客の行動データを取得し、分析することができれば、新規の顧客に対しても応用できるようになるからです。
DXによって、コスト削減が目的ではなく、ヒトとシステムが一体となり顧客に対する新たな価値創造や差別化、企業の競争力を強化することができるようになるのです。
2.DXを推進する船井総研のコンサルティング
DXを実現するために、スポットでデジタルツールを導入すればできるかといえばそうではありません。ポイントとなるのは、経営上の”全体最適”の考え方がDXの実現を可能にするということです。
船井総研のDXコンサルティングでは、経営活動(営業、集客、勤怠管理まで)、そして、企業の利害関係者を洗い出します。さらに、既存のデジタルツールと新規のデジタルツールのシステム連携図を作成しまし。この「DXジャーニーマップ」を作成することで、業務プロセスを整理し、企業の経営の全体最適なDX推進に取り組むことができるようになるのです。
このDXジャーニーマップをベースにDXの実現に向けての実装フェーズに移ります。
当社のDXコンサルティングでは、DXジャーニーマップの作成支援だけでなく、経営者がデジタル関連のパートナーとしてのCDO代行など、様々なサービスをご用意しております。
DXになかなか踏み出せない、取り組まれてもなかなか推進できないとお困りの経営者の皆様、是非当社のDXコンサルティングについてお問い合わせくださいませ。
著者情報
株式会社船井総合研究所
ECグループ アソシエイト
横窪 勇太Yuta Yokokubo
明治大学政治経済学部を卒業後、2020年に船井総合研究所に新卒で入社。入社以来一貫してデジタルマーケティングに従事し、これまで、士業・保険代理店・自動車・食品・小売・不動産・専門サービス業のWeb・SNS広告運用、Webサイト・メディアサイト立ち上げ・活性化などを経験。2021年よりBtoB、BtoC向けのEC立ち上げ・活性化を中心に行っている。