「打ち合わせ等で高頻度なコミュニケーションを図っているけど、社員からは良いアイデアが出てきません。」
といったお悩みを聞きます。
実は、インフォーマルコミュニケーションを活性化させるオフィス環境づくりを行うことにより、社員から新たなアイデアが生まれるイノベーションオフィスを作ることができます。
インフォーマルコミュニケーションとは?
会社では、打ち合わせや会議、社内教育といった事前に予定されたフォーマルなコミュニケーションを取ることが一般的です。
一方で、インフォーマルコミュニケーションとは、事前に予定をしていない偶発的なコミュニケーションのことです。社内での雑談が代表的なインフォーマルコミュニケーションです。
これまで社内のコミュニケーション活性化といえば、打ち合わせといったフォーマルコミュニケーションを増やすことばかりに目を向けられてきました。
そして、社内での雑談といったインフォーマルコミュニケーションは、仕事として認められず、どちらかと言うと禁止されるものです。
しかし、近年では、このインフォーマルコミュニケーションは、新たなアイデアを生み出すためには、必須のコミュニケーションとして注目されています。
インフォーマルコミュニケーションには、
・社員同士が互いを知ることで意思疎通を円滑にする
・多様な情報の共有をうながし、多面的な意志決定につながる
・何気ないアイデアの交換や議論を通して新たなアイデアのヒントをつかむ
といった効果があります。
代表的なのは、喫煙室で行われるインフォーマルコミュニケーションです。
喫煙室には部署や役職の壁を越えた知識や情報の交換が行われるため、
喫煙者と非喫煙者では社内情報の保有度合いに大きな違いが生じることは有名な話です。
このようなインフォーマルコミュニケーションをオフィスで全社員が行えるオフィス環境を作ることが出来れば、業績アップにつながる新しいアイデアが生まれるイノベーションオフィスを作ることができます。
しかし、このインフォーマルコミュニケーションは、偶発的な出会いから発生するコミュニケーション会社が意図して発生させることができないコミュニケーションです。
実は、オフィス環境を工夫することにより、このインフォーマルコミュニケーションを誘発させることができます。
新しいアイデアが生まれるイノベーションオフィスの作り方はこちら
インフォーマルコミュニケーションを誘発するオフィス環境づくり
マグネットスペースに滞在スペースを設ける
マグネットスペースとは、自然に人が引き寄せられるスペースです。
具体的には、複合機や自販機など、部署に関係なく社員全員が使用するスペースです。
上記のようなマグネットスペースにテーブルを設置します。
雑談を行えるスペースを作ることにより、他部署の社員や普段会話をすることのない社員との偶発的なコミュニケーションを誘発することができます。
社内カフェスペースを導入する
新しいアイデアが生まれるためには、脳が活性化している必要があります。
仕事中ではなく、カフェや公園にいる時など、プライベートの時間に新しいアイデアがひらめいたといった経験はありませんか?
仕事中に新しいアイデアが生まれにくい理由として、いつも見慣れているデスクがある風景で仕事をするため、脳への刺激が少ないことが要因として挙げられます。
いつも見慣れている景色とは異なるカフェスペースを導入することにより、脳が活性化し、アイデアが生まれやすい空間になります。
しかし、社員がコーヒーを汲んですぐに自席に戻るのでコミュニケーションが発生していないというのはよくある失敗の一つです。
このカフェスペースで新しいアイデアを生み出すために、社員同士のインフォーマルコミュニケーションが発生しなければなりません。
カフェスペースを導入する際には、人が滞在する仕組みを取り入れる必要があります。具体的には下記のような仕組みを取り入れましょう。
・雑誌や新聞を置く
・社内掲示板を置く
・テレビを置く
・社員情報を掲示する
フリーアドレス制を導入する
フリーアドレス制とは、自分専用の座席を廃止し、空いている席を自由に使って仕事を行う制度です。
このフリーアドレス制を導入することにより、普段会話することがない社員と隣り合って座る機会が増えるため、特定の社員に偏らずにコミュニケーションを図ることができます。
他部門の社員とのちょっとした雑談から、今までにないアイデアを生み出すきっかけを作ることができます。
1on1ランチを実施する
社員のコミュニケーションは、一緒に仕事をする社員や同期社員のように仲が良い社員とのコミュニケーションが中心となり、他部門の社員とはインフォーマルコミュニケーションが発生しにくいことが一般的です。
社内でのインフォーマルコミュニケーションを誘発させるために、1on1ランチという制度を導入しましょう。
特定の社員に偏らず、社員全員とランチに行く制度を作ることにより、社員全員とのコミュニケーションを図ることができます。
そして、ランチミーティングを行った社員と社内で出会うことにより、会話するきっかけが生まれ、雑談といったインフォーマルなコミュニケーションを誘発させることができます。
あらゆる社内の人間とインフォーマルコミュニケーションを図れることにより、新たなアイデアが生まれる確率が高くなります。
上記のような施策をオフィス環境に取り入れることにより、
新たなアイデアを生み出すイノベーションオフィスをつくることができます。
著者情報
株式会社船井総合研究所
ECグループ アソシエイト
横窪 勇太Yuta Yokokubo
明治大学政治経済学部を卒業後、2020年に船井総合研究所に新卒で入社。入社以来一貫してデジタルマーケティングに従事し、これまで、士業・保険代理店・自動車・食品・小売・不動産・専門サービス業のWeb・SNS広告運用、Webサイト・メディアサイト立ち上げ・活性化などを経験。2021年よりBtoB、BtoC向けのEC立ち上げ・活性化を中心に行っている。