売上総利益、営業利益率、ROE・・・など
チェックしておきたい経営指標は山ほどあります。
これからの時代に、最も意識しておきたい経営指標は、、、
「人時生産性」
です。
人時生産性とは、1人あたり・時間あたりの生産性です。
計算式にすると、粗利÷総労働時間で算出することができます。
これまで日本企業は、労働時間度外視で、とにかく売上や粗利を上げることに邁進してきました。営業時間を24時間に延ばしたり、正月やお盆も営業するようにしたりと、まさに“モーレツ”に働いて、売上や粗利を伸ばしてきました。
これはこれで良かったのです。こうすることで日本企業は成長してきたことも事実です。
しかし、働き方改革が叫ばれる中、長時間労働を続けていると、世の中の流れに逆行しますし、一番の問題は人が採用できなくなるということです。今の時代、長時間労働を強いる企業は“「ブラック企業”のレッテルを貼られてしまいます。
今、企業に求められるのは、「いかに少ない労働時間で売上や粗利を上げられるか」です。
それを最も表している指標が「人時生産性」です。
人時生産性は損益計算書の売上総利益(粗利)を従業員全員の総労働時間で割れば簡単に算出できますから、一度出してみて下さい。
では、人時生産性を上げるにはどうしたらいいのか?
人時生産性を因数分解すると、「粗利」と「総労働時間」に分解することができます。
まず、粗利向上のためには、船井総研の業種コンサルタントが提案するビジネスモデルを採用するのが最も近道です。
さらに、業務プロセスの観点から、粗利向上のボトルネックになっている業務を整理し、システムやRPAで自動化することがポイントになります。
次に、総労働時間ですが、今やっている業務の中で労働時間を大幅に短縮できる業務がないか、洗い出しをする必要があります。業務をこなしている当事者は当然のように必要だと思っていることでも、本当は不要だけどこれまでの惰性で続けている業務も少なくありません。一度、自分たちがやっている業務が本当に必要なのか、効率化できているのかをゼロベースで考える必要があります。
業務が整理できれば、システムやRPAをうまく活用することで、劇的に労働時間を短縮することも可能になります。
働き方改革の成果は、残業時間の削減ではありません。
人時生産性の向上こそが、働き方改革の成果と言えます。
皆さんの会社でも「人時生産性向上」の取り組みを始めてみてはいかがでしょうか?
著者情報
株式会社船井総合研究所
ECグループ アソシエイト
横窪 勇太Yuta Yokokubo
明治大学政治経済学部を卒業後、2020年に船井総合研究所に新卒で入社。入社以来一貫してデジタルマーケティングに従事し、これまで、士業・保険代理店・自動車・食品・小売・不動産・専門サービス業のWeb・SNS広告運用、Webサイト・メディアサイト立ち上げ・活性化などを経験。2021年よりBtoB、BtoC向けのEC立ち上げ・活性化を中心に行っている。