◆女性は男性よりも働くオフィス環境を見ている
女性社員の方に「この会社で働こうと思った理由は?」と聞くと、「オフィスがきれいだったから」「オフィスがおしゃれだから」と回答する方の比率が男性よりも多いです。女性にとって”オフィス環境”は採用において重要な要素であると言えます。
たしかに、船井総研でオフィスリニューアルをサポートさせて頂いた企業様では、いずれも女性の面接数が倍増しています。
最近、オフィスリニューアルをした企業の女性社員の方に、「以前のオフィスだったら入社しましたか?」と聞くと、「以前のオフィスのままなら入社しなかったですね…」と回答されました。採用サイトに「オフィス移転予定」と書かれていたのを見て、働くならキレイなオフィスで働きたいという思いがあったようです。
日本では、9割以上の企業のトップは男性です。男性と女性では、オフィス環境に求めるポイントが違います。経営者は優秀な女性社員の採用および定着率アップ、女性にイキイキと働いてもらうために、どういったポイントを押さえてオフィス環境を整えていくべきでしょうか?特に男性経営者は、女性目線のポイントを把握をした上でオフィスリニューアルを進めていく必要があります。
◆女性がオフィス環境の中で、最初にチェックするポイントは…
実は女性がオフィスで最初にチェックするポイントはトイレです。男性にとっては意外かもしれません。しかし、女性社員に聞くと皆さんうなずかれるはずです。
女性は男性とは違い、化粧直しや歯磨きをする際にもトイレスペースを利用します。トイレスペースの重要度が男性とは異なります。
実際に女性社員に聞くと、皆さん次のようなことを言います。
「男女兼用トイレはありえない」
「和式のトイレの会社では勤めたくない」
「トイレが不衛生な会社では勤めたくない」
大企業であればまだしも、中小企業では上記の条件を満たせていない会社が多いのも事実です。
会社を1ヶ月で辞めたという女性がいるのですが、理由を聞くと、トイレが男女兼用で1箇所しかなく、誰がトイレを利用しているかが分かってしまうということが理由だったようです。。。
◆女性が快適に働くことができる環境へオフィスリニューアル
①清潔感があるオフィス環境
働く女性に対して、快適なオフィスの条件についてのアンケートを行うと、「清潔感のあるオフィス」という項目が毎回上位に入ります。
長く同じ空間で働いていると気づきにくいですが、面接に来た女性は下記のような点をチェックしています。見直しをしましょう
□イスやカーペットにシミがないか
□壁紙がはがれたり、汚れたりしていないか
□薄暗いオフィスになっていないか
□配線ケーブルがぐちゃぐちゃになっていないか
□ブラインドが汚れたり、壊れたりしていないか
□書類や山積みになっていないか
□繰り返し買い足しをした結果、オフィス家具が不揃いになっていないか など
②快適な空調
一般的に女性は男性と比べると筋肉量が少ないため、体が冷えやすいです。
空気の循環が悪いオフィスや、直撃風が当たると、冷えで働きにくい環境になってしまいます。
間仕切りパネルや背の高い書庫を壁側に寄せたレイアウトに変更したり、収納物を減らして什器を廃棄したりすることで空気が循環しやすいオフィスにリニューアルすることができます。
また、写真のように空調機器にファンを取り付けることで直撃風は防ぐことが可能です。
③充実した休憩スペース
休憩スペースの充実を重視する女性の声は多いです。執務室では働いている人に気を遣ってコミュニケーションを取りにくいですが、休憩スペースであれば遠慮せずにコミュニケーションを取ることができます。
遠慮のいらないコミュニケーションが社員間の関係性を良好にして、働きやすい職場環境を作ります。
◆育児をしながらでも働きやすい環境作り
小さいお子さんの育児をしながら働くのは大変です。子どもが風邪を引けば、近くに両親や親族がいない場合は看病で仕事を休まざるを得ないこともあります。
今までは仕事はオフィスに出社してするものでした。働きたくても会社に行けない日々が続き、社員が泣く泣く育児を理由に仕事を辞めてしまう経験をした経営者は多いのではないでしょうか?
最近ではデジタル化が進み、ビデオ会議システムやクラウドツールを駆使することで、自宅や出張先、カフェなどでも仕事ができるようになってきています。
岡山県の株式会社WORK SMILE LABOでは、全社員にテレワークを導入し、在宅ワークを許可しています。
※テレワークとは、ITツールを活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことで、オフィスだけではなく、自宅やカフェ、レンタルオフィスなどでも会社にいるのと同じような環境で働くことを指します。
その結果、同社の働き方は育児中の女性から支持を受け、優秀な女性の応募が急増しました。また、育児を理由とした離職を防ぐことに成功しています。
これからは働く場所の範囲をオフィスではなく、自宅や主張先や滞在先ホテルなどにまで拡張して考える柔軟な働き方が広がっていきます。オフィスだけを職場とかんがえない柔軟な考え方をすることで、採用力と定着率を高めることができます。
著者情報
株式会社船井総合研究所
ECグループ アソシエイト
横窪 勇太Yuta Yokokubo
明治大学政治経済学部を卒業後、2020年に船井総合研究所に新卒で入社。入社以来一貫してデジタルマーケティングに従事し、これまで、士業・保険代理店・自動車・食品・小売・不動産・専門サービス業のWeb・SNS広告運用、Webサイト・メディアサイト立ち上げ・活性化などを経験。2021年よりBtoB、BtoC向けのEC立ち上げ・活性化を中心に行っている。