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2022.01.29

中小企業こそ”テレワーク”で働き方改革すべき!残業時間41%削減しながら業績UPできた生産性向上の切り札

中小企業こそ”テレワーク”で働き方改革すべき!残業時間41%削減しながら業績UPできた生産性向上の切り札

■働き方改革が求められる中、注目されるテレワーク

“テレワーク”という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

テレワークとは、ITツールを活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。

オフィスだけではなく、自宅やカフェ、レンタルオフィスなどでも会社にいるのと同じような環境で働くことを指します。

在宅ワークという言葉の方が一般的ですが、在宅ワークもテレワークに含まれるとお考えください。

テレワークというと、大企業や都会のIT企業が導入をしているイメージがしますが、

「社員数30名」「営業会社」「地方」の中小企業が、テレワークを取り入れることで生産性向上を実現している事例があります。

■地方の中小企業のテレワーク導入による生産性向上事例

株式会社WORK SMILE LABOは、岡山市を中心に営業をする事務機器販売業です。

同社には子育て中の女性社員がおり、子供が体調不良の時は会社を休まざるをえない状況にありました。子供がインフルエンザにかかれば5日間は出勤できません。

休む側は、「急な欠勤で会社や仲間に迷惑をかけるのが心苦しい」「休んだ分収入が減ってしまう」と感じていました。一方、休まれる側は「一人当たりの仕事量や負担が増え、残業が発生する」と感じていました。お互い口には出しませんが、休む方も・休まれる方も双方に負担がありました。少ない人数で運営している中小企業では、代わりの人材がおらず、業務へ与える影響は大きいことが実情です。

この状況のままでは、子育て中の女性社員が退職してしまうと考え、解決策を模索する中で同社が実践したのでテレワークでした。よくテレワークは”持ち帰り仕事”と混同をされます。持ち帰り仕事はUSBなどにデータを入れて、自宅のパソコンで作業をすることが一般的です。

同社ではテレワークを行うにあたって下記のような環境を整え、自宅でもオフィスと同じような環境で働ける仕組みを構築しました。

・Web会議システムを活用して同僚とのコミュニケーションをいつでも取ることができる。

・セキュリティを担保した上で会社のファイルサーバにアクセスできる。

・パソコンに作業ログ管理システムを導入して、作業時間や内容を見える化  など

テレワークと持ち帰り仕事の違いは、会社にいるのと同じように同僚とコミュニケーションを取ることができる点、セキュリティや労務管理の問題をクリアできる点にあります。

テレワークを実践したところ、すぐに効果が現れました。

1つ目は仕事とプライベートの両立です。出退勤時間が無くなり、尚且つ仕事の合間の休憩時間に家事を行うことができ、生活にゆとりが生まれました。

2つ目は生産性向上です。これは思いがけぬ発見でした。在宅でテレワークをしていると、電話に出たり、来客対応ができないため、集中して仕事に取り組むことができます。また、「在宅でもしっかりと仕事をしていることを同僚に示さなければいけない」という意識も集中力アップにつながりました。

また、外回りをする営業マンへのテレワークの導入は大きく生産性を向上させる要因になりました。今までは営業先が自宅の近くであっても、事務処理をするために会社に戻っていました。

テレワークを導入することで、最後に訪問をした営業先が自宅に近ければ、自宅に戻って事務処理できるようになりました。移動時間を大幅に減ったため、残業時間を削減することに成功しました。

テレワークを導入した結果、WORK SMILE LABOでは前年と比較して残業時間を41%削減することに成功しました。残業を減らしながらも、売上は前年対比104%、粗利は前年対比113%向上しています。社員からはプライベートの時間が増え、生活にゆとりが生まれたという好意的な声があがっています。

■テレワークは採用力向上にも効果的

テレワークの効果は生産性向上だけではなく、採用力向上にも効果的でした。WORK SMILE LABOでは、テレワークを導入したことで新卒採用の面接実施数は前年と比較して2倍になりました。若い層から柔軟な働き方を評価されたことが面接実施数倍増につながりました。

また、中途採用でも求人票に「在宅勤務可」と一文を加えることで応募者数が増加しました。働きたいけれども一般的な”出社”をする働き方では、育児や介護などの事情で働けないという方からの応募が多く集まりました。こういった応募者の中には優秀な人財も多く、優秀な人財の採用につながりました。テレワークによって採用できる人財の幅が広がったことがポイントです。

中小企業こそテレワークを活用して、生産性向上、採用力アップしていきましょう!

著者情報

横窪 勇太

株式会社船井総合研究所
ECグループ アソシエイト

横窪 勇太Yuta Yokokubo

明治大学政治経済学部を卒業後、2020年に船井総合研究所に新卒で入社。入社以来一貫してデジタルマーケティングに従事し、これまで、士業・保険代理店・自動車・食品・小売・不動産・専門サービス業のWeb・SNS広告運用、Webサイト・メディアサイト立ち上げ・活性化などを経験。2021年よりBtoB、BtoC向けのEC立ち上げ・活性化を中心に行っている。