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本日はコラム形式でみなさまに事業成長を目指す会社が先に知っておくべきことをお伝えさせていただきます。
私のクライアントに当時年商1億円未満の全く異業種からECビジネスに2014年頃参入し直近の年商で約10億円まで成長したクライアントがいらっしゃいます。
当時の既存事業の売上高は緩やかに縮小しておりますので、この約9億円は2014年から参入したEC事業で作ってこられた
売上高となるのですが、現在の数字だけでは見えてこない様々なターニングポイントがあったのです。
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参入後4年ほどは赤字事業だった?
実はこの会社の立ち上げた事業は中古ECというビジネスモデルで当時はメルカリやフリマといったプラットフォームもなく
限られた方が中古品を買うというような文化圏での参入となりました。
事業立ち上げから初年度売上は約5,000万円で限界利益こそ黒字なものの人員や家賃など全てを加味すると
赤字での着地となりました。
特に特性上、在庫を不特定多数抱える必要があるのと、当時の主戦場がモールでの売上も合わさり、在庫の支払いとモール
から入金にタイムラグがあり現金が枯渇するような状況が続きました。
この現金に不安があるというのは事業立ち上げ後もしばらくは続くような状況となり、売上は伸びていくもののそれ以上に
一時的に出ていくキャッシュが毎月大きくなっていくような状況で資金繰りに苦労いただいた記憶がございます。
ただこの会社の現在につながる大きなポイントの1つにこのタイミングで投資を惜しむことなく、売上を伸ばし続け
参入からしばらくは毎年200%以上の売上成長を目指していたというところが大きなポイントとなります。
先行投資の英断で事業が急成長
また中古ECの特性上倉庫や作業場などある程度のスペースを確保することが必要で拠点への大きな投資を先行的に行って
いただいたことも要因として大きくございます。
当時ではまだまだ今の状況を予想できないなかで、大型物流拠点の移動をかなり早いタイミングで即決断いただき
数億規模の投資となりました。
もちろんやりたくても全ての会社ができるわけではございませんし必要がない可能性もあります。
ただ当時だけの状況で言えば数年早い決断でございましたが結果拠点での制限がなくなり売上高、
そしてこの時期くらいから利益面での改善も進むことになります。
重要な指標に絞り込んで管理する
マーケティング的なことで言えばECを目指す上で必要になるのが販促費への投資となります。
昨今各種広告費は数年前と比べると単価が高騰しており、単月だけでの判断をすると
赤字(新規客売上と販促費)になることが多くございます。
ただここの会社の場合、まずはシェアをとりにいくことを優先として、ある程度指標とする額を緩く見て頂いたことで
先行としてシェアを取ることができた要因となります。
ECで大きく利益を出す場合、必ずリピーターと言われる層がいなければ利益の確保は難しいのですが、結果的に現在では
リピーターだけでも事業がほぼ回る状況となっております。
また小売業として必要な在庫高の確保も積極的に確保いただき、基本的には広告費のパフォーマンスと在庫高を優先として
今でも管理して頂いております。
そして現在では事業売上高9億円(企業売上高10億円弱)、営業利益も業界平均値を超える利益確保に繋がっています。
成功事例から語る!お伝えしたい3つのポイント
①月次のPLだけで勝ち負けを判断してはいけない
②赤字=悪ではなく必要なステージも必ず存在する
③本業との状況を加味してできる投資を惜しまないということが重要となります。
ECで伸び悩みをされている会社さまの多くは商品やサービスに課題があるのではなく、
適正な投資額ができていないケースが多いのです。
もちろん目指す売上高とスケジュール感により金額は変わりますが、単純に単月の成果だけを見るのではなく
1年単位でのレビューを行っていただく必要がございます。
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著者情報
株式会社船井総合研究所
ECソリューションユニット マネージャー
日坂 大起Daiki Hisaka
入社以来BtoC領域の店舗開発/ECデジタルマーケティング支援に従事。
WEB・デジタルの領域だけの提案にとどまらず小売業やメーカーに対しての店舗の支援や商品づくりや価格帯調査、在庫改善等一貫したコンサルティングを手掛けている。
・2021年1月よりECグループ、2021年7月にEC部門の責任者に就任。
・2014年 関西学院大学卒業後、船井総合研究所に入社しアパレル領域のコンサルティングを担当
・2015年 高単価商材(呉服・宝石等)のマーケティングコンサルティングに従事
・2016年 歴代最年少で管理職に昇格、アパレル領域以外に中古ビジネスのコンサルティングを担当
・2018年 BtoCの小売業分野のコンサルティング全般を担当
・2019年 ビューティビジネス分野の統括責任者に昇格しBtoCのサービス業を含めた領域のコンサルティングを経験
・2021年 現職になるECグループに社内移籍しBtoB/BtoC分野での大手中堅を含む案件のPJ責任者として店舗開発やDX領域のコンサルティングに従事している
・EC経営フォーラム