船井総研ロゴ

EC経営.com

2022.01.29

新規顧客開拓・顧客管理の効率化で準備したいこと3選

新規顧客開拓・顧客管理の効率化で準備したいこと3選

コロナ禍でビデオツールでの商談・営業の導入やそれに慣れてきた方は多くいらっしゃることかと思いますが、そこで「終わり」となってしまっている中小企業が多く見られます。今回は中小企業において営業DX(デジタルトランスフォーメーション)を成し遂げる上で、序盤にて準備・実施しておきたい内容について、大きく3点に絞ってお伝えいたします。

営業DXへの準備その1:営業案件数・受注数最大化の目的に特化したソリューションサイトの構築

まず第1に「営業案件数・受注数最大化」を主目的に置いた上で、自社の商品・サービス・ソリューションの掲載・告知に特化したソリューションサイトを構築します。

自社ホームページ(HP)との大きな違いはこの部分にあります。自社の概要や紹介、採用情報、IR情報等をまとめたHPやコーポレートサイトとは一線を画すものとなります。

また、SNSやメールマガジン等で誘導・送客させるためのプラットフォーム的機能を果たすことになります。

インターネット上には膨大な数のWebサイトやWebページが存在します。その中で自社のプラットフォームとなるソリューションサイトへの流入を沢山稼ぐことはかなりの工夫や施策が求められます。

そのような中で、可能な限り告知の機会や媒体を増やし、いかに多くのユーザーを自社のソリューションサイトへ誘導させるか(流入させるか)が大きなポイントとなります。

裏を返せば、流入してきたユーザーは、自社の見込み顧客(そのユーザーが初めてアクセスしてくる場合は「新規リード」)である可能性が高い、という解釈もできます。

またユーザーが自社ソリューションサイト内を回遊し、自社の商品・サービスと競合他社のそれらとを比較・検討していただき、資料請求や購入等何等かのアクション(=コンバージョン)を起こしていただくことが重要です。

かつコンバージョンに至ったユーザー側も、ある種の「納得感」を得ることができます。

この枠組みは「AISCEAS(アイシィーズ)の法則」といい、ソリューションサイトを運営する上で、また成果を十分に出す上でとても重要な枠組みとなりますので、頭の中に入れておきながらソリューションサイトを運営していくことが求められるのです。

AISCEAS(アイシィーズ)の法則

営業DXへの準備その2:自社の商品力・サービス力・ソリューション力の強化

第2にサイト構築と並行して、自社の商品・サービス・ソリューションに関連するコラム記事や無料コンテンツ、資料等を用意します。そしてソリューションサイト上へ掲載し、自社の商品力訴求レベルを高めます。

その際に何等かの購買行動があったことを、ご自身に通知されるように仕組み化させることが大切です。

また購買行動後の「即時」顧客対応の仕方についても、自社内で予め決めておき、その人員配置まで行えることがベストです。

この部分では、マーケティング・オートメーション(MA)、営業力管理システム/営業支援システム(SFA)、顧客関係管理(CRM)機能を搭載したデジタルツールが役に立ちます。

ユーザーのサイト上での閲覧ページやその時間等、今まで詳細に可視化されなかった情報、各営業先のステージ・段階まで知ることができます。営業先の温度感・気持ちの把握や、営業品質の改善に効果的です。

営業DXへの準備その3:自社情報をどのように「発信」するか?

第3にメールマガジンやWeb広告等にて自社情報を発信するフェーズです。

貴社では名刺をクラウド管理ツールで「デジタル資産化」させることができておりますでしょうか?

デジタル化が進んでいない中小企業の場合、産業展示会等でせっかく必死で営業案件の名刺を獲得してきたにもかかわらず、自分のデスクの中に輪ゴムでまとめて保管されてしまっている、どんな営業案件先があるかが会社内で共有されておらず、気づいたら案件先数が頭打ちとなってしまっている、といったことが多くあります。

それは非常にもったいないことであると思います。

名刺をフル活用していくためにも、名刺を撮影してクラウド管理ツールにて「デジタル資産化」させることが、今後の販促面でも大いに役立ちます。

次に、デジタル資産化した名簿へ、自社のメールマガジンやWeb広告にて発信します。

その際に文章や打ち出しのフレーズ、装飾、使用画像等をある程度「テンプレート化」させることで、反響水準の「再現性」を高めることができます。

SNSや自社マーケティングの担当者が実施する(=分業化させる)ことがベストではありますが、どの社員が配信しても、かつ配信を自動化させたとしても、ある程度高いレベルの反響数値を確保できるようにすることで、長期的に顧客の購買行動に結び付けやすくなります。

そのためにはある程度、セールスライティングのスキルも求められてきますし、セールスライティングを行う上で重要な枠組みに「PASONA(パソナ)の法則」があります。

PASONA(パソナ)の法則

また発信した後に開封率やCV数など、反響数値を検証できるように、Web制作会社を通じて申込タグ(=コンバージョンタグ)をソリューションサイト内に入れ込むことも前準備として重要となります。

まとめ

ここまで3つのポイントに絞って営業DXへの準備事項をお伝えしてきましたが、以上についてスピード感を持って進めることが、時流適応、生産性向上、持続可能な経営へのカギともなります。

PDCAサイクル(Plan=計画、Do=実行、Check=確認・検証、Action=行動・次の機会に活かす)を高速で回していき、少しでもコロナ禍で失った売上を取り戻していく契機となれば幸いです。

著者情報

横窪 勇太

株式会社船井総合研究所
ECグループ アソシエイト

横窪 勇太Yuta Yokokubo

明治大学政治経済学部を卒業後、2020年に船井総合研究所に新卒で入社。入社以来一貫してデジタルマーケティングに従事し、これまで、士業・保険代理店・自動車・食品・小売・不動産・専門サービス業のWeb・SNS広告運用、Webサイト・メディアサイト立ち上げ・活性化などを経験。2021年よりBtoB、BtoC向けのEC立ち上げ・活性化を中心に行っている。