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2022.01.29

【SFA と CRM は何が違う?】それぞれの機能や役割の違いを解説!

【SFA と CRM は何が違う?】それぞれの機能や役割の違いを解説!

近年、企業経営においてデジタル化や DX など、の流れで SFA や CRM という言葉が聞こえてきます。今回はそんな SFA、CRMの違いと、それぞれの役割や機能などの基礎知識をご説明いたします。

そもそも DX 化を求められる背景って?

昨今、デジタル化の波が進んでいく中で、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉がよく出てきています。

DX とは、簡単に言うと「データやデジタルツールなどを活用し、ビジネスモデルや業務内容、ひいては企業文化までを変革すること」とご理解いただければと思います(※1)。

※1:詳細は経済産業省の『デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン』をご確認ください。

そんな DX ですが、求められる要因としては「2025 年の壁」と呼ばれる現象から来ております。

例えばですが、部門間でのデータ連携ができていなかったり、システムが複雑すぎて活用しきれていなかったりと、デジタル競争下で生き残ることが困難になってきます。

そこで、デジタルを活用して連携を進めたり、システムの一元化をして事業をより良い方向に変革したりして、競争力を高めていく、これが昨今求められている“DX(デジタルトランスフォーメーション)”なのです。

まず取り組むのは顧客まわりの DX

さて、そんな DX ですが、まずは顧客まわりの DX から進めることをお勧めいたします。

事業において、大きく分けて

  1. 会計処理などの『基幹まわり』
  2. 社内連絡ツールなどの『現場まわり』
  3. 販促サイトなどの『顧客まわり』

の 3 つの領域があると思います。

1と2の『基幹まわり』『現場まわり』は一般に経費削減、コストダウンを目的としたもので、経営という目線で見ると、そこまで大きなインパクトはありません。

一方で『顧客まわり』の変革は直接売上増につながる変革ですので、まずはここから進めていくことが流れとして順当でしょう。

実際に『顧客まわり』の DX を実施し、

  • 営業担当者1人当たりの商談数が 1.5 倍になった
  • 受注率が 20%から 25%に上がった
  • 全体の売上が 1.5 倍になった

という企業様もいらっしゃりますので、まずはこの売上に直結する領域から DX に取り組むのが良いでしょう。

そして売上が増加したのち、増加した売上を生産性向上やコストダウンのための投資に回す、というのが理想的かと思います。

SFA と CRM の違いとは?

先程『顧客まわり』の DX とお伝えしましたが、その中でも『SFA』と『CRM』と呼ばれるツールを導入する企業が急増しています。

この 2 つは保有している機能が非常に近しいので混同しがちですが、

  • 『SFA』は『営業支援システム』
  • 『CRM』は『顧客管理システム』

という違いがございます。

より具体的にお伝えすると、

  • 『SFA』はどんなお客様にどんな対応をしているか、現状の営業実績はどれほどかなど、営業担当者の管理に特化したツール
  • 『CRM』はお客様のデータを蓄積(データベース化)していき、過去の取引などの履歴情報を取りまとめる機能を持っているツール

という違いがあります。

さらに一言で表すとすれば

  • 純粋に顧客の情報をまとめていくのが『CRM』
  • 営業の可視化や営業力の強化するのは『SFA』

と考えてよいでしょう。

SFA と CRM、どちらを導入すべき?

それでは一体『SFA』と『CRM』どちらを導入すればよいのか、というと結論両者同時導入が望ましいです。

とはいえ、まずはどちらかからというのであれば、自社の抱えている課題別に考えてみるとよいでしょう。

下記に『SFA』と『CRM』それぞれ、どういった方にオススメかまとめましたので、ぜひ自社に照らし合わせて考えてみていただければと思います。

【SFA の導入をオススメするパターン】

  • 各営業担当者の営業成績がわからない…
  • 営業担当者がどういった営業をしているかがわからない…
  • 営業の際の業務フローが整理されていない…
  • 見込み顧客に対するフォローが適切にできておらず、取りこぼしが多い…
  • 営業情報や売上管理を一元化したい…

【CRM の導入をオススメするパターン】

  • そもそも顧客情報を適切に取りまとめられていない…
  • 営業担当者が個別に管理しており、任せきりになっている…
  • 紙や Excel で管理しており、最新情報がわからない…
  • 顧客がどういった商品・サービスに興味があるかわからない…
  • 他サービスの営業ができておらず、クロスセルができない…

上記のようなお悩みをお抱えの場合、ぜひ『SFA』『CRM』の導入をご検討ください。

自社にあった営業の DX を!

以上、昨今よく言われている DX から、『SFA』『CRM』のそれぞれの違いについてご説明させていただきました。

2018 年からよく言われるようになった DX ですが、コロナの影響等もあり、急速に加速している市場でございます。

この波に乗り遅れないよう、自社はどういった課題を抱えていて、その解決には何が適切なのか、すぐにでも把握していくことが重要となります。

また、『SFA』や『CRM』はあくまでツールです。

ただ導入するだけではいけません。

何を目的に、どういったことを成し遂げたいか、明確にすることで DX、デジタルトランスフォーメーションをうまく進めることができるでしょう。

著者情報

横窪 勇太

株式会社船井総合研究所
ECグループ アソシエイト

横窪 勇太Yuta Yokokubo

明治大学政治経済学部を卒業後、2020年に船井総合研究所に新卒で入社。入社以来一貫してデジタルマーケティングに従事し、これまで、士業・保険代理店・自動車・食品・小売・不動産・専門サービス業のWeb・SNS広告運用、Webサイト・メディアサイト立ち上げ・活性化などを経験。2021年よりBtoB、BtoC向けのEC立ち上げ・活性化を中心に行っている。