① SNS運用の目的の設定
SNS運用にあたってはまず目的を設定し、それを達成するための指標を設定していくことが非常に重要になってきます。その指標をKGI、KPIと呼びます。
※KGI、KPIとは
KGIとはKey Goal Indicatorを省略したものであり、その中間目標となるのがKPIという指標です。KGIを設定し、そこに到達するための戦略としてKPIを設定します。
ではなぜ目的を設定することが重要なのでしょうか。
それは、SNSの運用は目的を達成するための手段であり目的ではないからです。
初期費用もほぼかからず、手軽に始められるのがSNSのよいところではありますが、
「SNS運用を取り入れたい!!」
「とりあえずはじめてみようかな!!」
というような軽い気持ちではじめても成果は出ません。
明確な目的を設定し、日頃のSNS運用の動きにまで落とし込んではじめて成果が見込めます。
それではどのようにSNS運用の目的を設定していけばよいのでしょうか。
一番良いのは、社内の課題や経営計画でSNSが担うことの出来る部分を探してみることです。
もし、見つからなくても必ず抑えたいポイントは、
”何の為に運用するのか。” ”どうなればSNS運用の成果が出たことになるのか。”
イメージしにくい!!という方は、以下のような例をイメージしていただければよいと思います。
【SNS運用具体例】
「月の問い合わせが平均30件欲しくて現在平均25件しか問い合わせが来ていない。一カ月で5件をSNS運用から獲得したい。」
このように具体的に何のためにSNS運用をするのかを明確にしてから運用を始めましょう。
②ターゲットは誰かを明確に
SNSの運用をしていく目的が決まったら、どのようなユーザーに情報を届けたいのかを明確にする必要があります。
SNSに投稿するコンテンツは届けたいユーザーの興味を引く内容である必要があります。
興味を引けるようなコンテンツの内容を明確に決めるために具体的なターゲット(ペルソナ)を決めましょう。
※ペルソナとは
ターゲットとは違い、非常に細かく人物の設定をします。 どういうこと??と思った方は以下の図1をご覧ください。
上記のように事細かに想定するユーザーを設定するのがペルソナです。
③運用ポリシー、運用マニュアルを作成しよう
・運用ポリシーの作成
SNS運用を社外に対して上手に進めていくためには運用ポリシーを明確に用意することが重要になってきます。
※運用ポリシー
:SNS上で発信していく目的やコンテンツに対する対外的に示す行動指針
運用ポリシーを定めておくと、運用をしていくスタッフの共通認識を作ることができます。
運用ポリシーのイメージがわかない方は以下の様なものをイメージしていただければと思います。
例,A社運用ポリシー
- お客様の意見をうかがい商品に反映させる。
- 当社の商品をお客様に知っていただく。
- お客様とのかかわりを持って当社のブランドイメージを向上を目指す。
上記のように、SNS運用における態度、姿勢を示した物が運用ポリシーです。
ここで必ず抑えておきたい、ポイントがあります。
それは、
”運用ポリシーはSNSの運用の幅を狭める制約ではない”
ということです。
運用ポリシーはマーケティングの幅やブランディングの幅を広げてくれる一助であるべきだからです。
・運用マニュアルの作成
対外的に示した行動指針が運用ポリシーですが、企業内でSNS運用の際に定めたルールが運用マニュアルです。
例えば
- 平日の13:00に毎日投稿する。
- 1日2投稿まで
- 写真はJPEG、動画はMP4
- ○○さんと○○さんのチェック後に投稿
上記のような具体的なルールが運用マニュアルです。
「マニュアルなんて用意しなくても一人で運用すればいい!!」
なんて思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もし、マニュアルを用意せず、属人的な運用をしてしまうとどうなるでしょうか?
まず、運用担当者の気分で投稿の形態が変わることも考えられますし、担当者がやめてしまった場合、アカウントを閉鎖しなくてはならないかもしれません。
トラブルに対応しきれないことも考えられますし、個人の勝手な判断によって対応すると、トラブルが悪化してしまうことも考えられます。
こんなことが起こってしまうとフォロワーやファンになって頂けたユーザーにネガティブな印象を与えかねません。
あくまで会社,企業のSNS運用である点を忘れずに、運用マニュアルを作成し組織内で運用していきましょう。
また、炎上してしまうことも想定しておかないといけません。
「そんなことはありえない!」
そう思った方は要注意です。
SNSには拡散力があり、多くの人の目につくため、どんな投稿が火の元になるかわかりません。
予期せぬ事態が起きてしまった際に慌てずに対応できるようにSNS運用における炎上に対するマニュアルも必ず用意しておきましょう。また、炎上を可能な限り起こさないようなマニュアル作りをしておきましょう。
SNS運用を通じて、自社のブランディングを安定的に進めていくためには、運用マニュアルは必須になってきます。
④まとめ
ここまでお読みいただきありがとうございました。
最後にここまでを振り返ってまとめとさせていただきます。
SNS運用をしていくためには
- SNS運用の目的の設定
- 想定する顧客を詳細に決める(ペルソナの設定)
- 運用マニュアル、運用ポリシーを作成する
が大切です。
目的の設定をする際は
”なんのために運用するのか。” ”どうなればSNS運用の成果が出たことになるのか。”
を明確にしておきましょう。
また、作成したコンテンツが興味の引くものになるように、想定する顧客の設定は詳細に作りこみましょう。
そして、安定したSNS運用が出来るよう、運用マニュアル、運用ポリシーを明確に作成しましょう。
著者情報
株式会社船井総合研究所
ECグループ アソシエイト
横窪 勇太Yuta Yokokubo
明治大学政治経済学部を卒業後、2020年に船井総合研究所に新卒で入社。入社以来一貫してデジタルマーケティングに従事し、これまで、士業・保険代理店・自動車・食品・小売・不動産・専門サービス業のWeb・SNS広告運用、Webサイト・メディアサイト立ち上げ・活性化などを経験。2021年よりBtoB、BtoC向けのEC立ち上げ・活性化を中心に行っている。