DXが得意な経営者
船井総合研究所には、DXに興味のある中小企業の経営者からのご相談が多数寄せられております。でも、DXが得意だとおっしゃる経営者の方はなかなかいらっしゃらないのも事実です。ただし、経営者の方が1番得意なことの中に、DX成功の秘密が隠されています。
「デジタル・トランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf)によると、下記のとおり示されています。
(1)DX推進のための経営のあり方、仕組み
- 1. 経営戦略・ビジョンの提示
- 2. 経営トップのコミットメント
- 3. DX推進のための体制整備
- 4. 投資等の意思決定のあり方
- 5. DXにより実現すべきもの:スピーディーな変化への対応力
これらは、経営者の得意な分野であり、お仕事内容そのものです。また、上記はDXをやるためだけにやることではないはずです。そうです、もうお分かりですね。
「会社を良くしたい」DXをやる理由はこれだけ
私がお伝えしたいのは、DXをやると経営者が決意する理由は「会社を良くしたい」だけでいいということです。もはや「DX」という言葉に戸惑う必要もありません。
経営者の方には、ぜひ「DXをやるぞ!」の代わりに、会社が変わらなければならない大義名分を掲げて、トップメッセージを発信頂きたいと思います。それは、実はDX活動の一部なのです。
例えば「2年後に人時生産性を1.5倍にしたい」「2年後に、社員が面倒だと感じている業務を半分にして、社員をもっと楽にしたい」「1年以内に紙とハンコを全廃して、全社員ににリモートワークを利用してもらいたい」「2年後に社員数を10倍にしたい」「商圏を3年以内に全国に広げて、自社のサービスで社会をもっと良くしたい」「2年以内に、ライバル企業と2倍の差をつけたい」といった経営者ならではの想いやビジョンを言葉にし、DXをやる覚悟を社員全員と共有するのです。
DXをやる理由が明確になったら「DXジャーニーマップ」を作ろう
自社のDXをやる理由を決めたら、次にDXを共に推進するDX推進チームを作り「DXジャーニーマップ」の製作を最初のDX推進チームの仕事にすると良いでしょう。DXジャーニーマップには、以下の内容を含めます。
- デジタルの設計図(KGI(目的)、業務プロセス、KPI(指標)、デジタルツール、CX(顧客体験)を1枚にまとめたもの)
- ステークホルダーマップ
- デジタル連携図
- デジタル投資シミュレーション
DXジャーニーマップは、会社の2年後の未来図で、経営者・DX推進担当者・業務に詳しい担当者・デジタルに詳しい担当者で合作することで、社長のトップメッセージを中核とした、実行性の高い計画が出来上がり、DX推進チームメンバーにとってDXが「自分事」になる効果があります。
著者情報
株式会社船井総合研究所
ECグループ アソシエイト
横窪 勇太Yuta Yokokubo
明治大学政治経済学部を卒業後、2020年に船井総合研究所に新卒で入社。入社以来一貫してデジタルマーケティングに従事し、これまで、士業・保険代理店・自動車・食品・小売・不動産・専門サービス業のWeb・SNS広告運用、Webサイト・メディアサイト立ち上げ・活性化などを経験。2021年よりBtoB、BtoC向けのEC立ち上げ・活性化を中心に行っている。