船井総研ロゴ

EC経営.com

2022.01.29

中小企業がDXを実現するための戦略の描き方とは?

$post_title

1.DXとは?

DXという単語は、コロナ禍で耳にタコな経営者は多いと思います。しかし、DXの本質と実現の方法が分からない場合が圧倒的に多い状況です。

DXとは、スウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が、「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化をさせる概念」と定義した言葉です。

では、船井総研が考えるDXの定義とは何かをご説明します。

船井総研では、大きく3つの要素を定義しています。

 

1.業務の効率化

2.新しい価値の創造(顧客体験の向上)

3.業績の向上(人時生産性の向上)

 

上記の要素を実現することがDXであるということです。

このDXを実現するためにまず何から始めたらよいのか。その疑問を解消するための方法をご説明いたします。

 

2.DX戦略の描き方―DXジャーニーマップからはじめよう―

DXを阻む4つの壁を乗り越えることで、DXを実現できます。では、4つの壁を乗り越えるために必要なDX戦略の描き方は、具体的にどのようにするのでしょうか?

まずは、会社のDXの設計図である、DXジャーニーマップを作成することから始めましょう。

DXジャーニーマップとは、業務プロセスに沿って、導入すべきデジタルツールと追うべきKPIを整理したものを指します。

 

なぜDXジャーニーマップを作る必要があるのか

経営にも戦略が欠かせないように、DX自体今後の経営形態に密接に関わってきます。

なぜなら、DXは、会社全体の業務プロセスを俯瞰して全体最適な取り組みが必要になるからです。

DXの戦略が描けなければ、DXの実現は叶わないといっても過言ではありません。

そのため、まずは自社をどのようにDXへと導くのか、その戦略を描くために「DXジャーニー」を作成しましょう。

 

3.DX戦略を描くための5つのステップ

ステップ1.実現したいことゴール(KGI)を明確化する

DXの戦略を描くために、まずはじめにやるべきことは、DXで実現したいゴール(KGI)を明確にし、それを全社一体となって進むべき方向性を定めることです。

DXで実現したいゴールとしては、「業績アップ」を前提として、そのための具体的ゴールを目指す必要があります。例えば、人時生産性の向上です。

人時生産性の向上とは、時間当たりの生産性を高めて総労働時間を短くし、業績を向上させることを意味します。デジタルツールを導入することで、業務の非効率を改善します。

非効率な業務を効率化することで、無駄な時間を、本来時間をかけるべき業務へと使うことができるようになります。

このように、会社全体のDXで目指したいゴールを明確化することから、DX戦略を描いていきます。

 

ステップ2.業務プロセスを洗い出す

DX戦略のポイントは、業務プロセスの中のスポットだけを見るのではなく、業務全体のプロセスの繋がりを見ることにあります。各事業部がどのような業務をしていて、その業務が次にどこの事業部へと渡っているのかの全体プロセスを洗い出す必要があります。

 

ステップ3.業務プロセス毎に導入すべきデジタルツールを整理する

全体の業務プロセスを洗い出したうえで、はじめて導入すべきデジタルツールの選定を行います。各業務の中で既に使用しているデジタルツールあるいは既存システムは、これから導入していきたいデジタルツールと連携ができるのか、できないのかを見ていきます。

昨今のデジタルツールは、他社のデジタルツールとシステム連携できるものがほとんどです。ばらばらになっていた顧客情報などが一元管理でき、営業やマーケティングなど攻めのDX化を実現できるようになります。

 

ステップ4.デジタル化した際の新たなCX(顧客体験)を検討する

既存の業務がDX化した時には、これまでお客様に提供していたサービスが変化し、それが顧客満足度を高め、LTV(顧客生涯価値)の増加へとつながります。

お客様の顧客満足度に関わってくるのがCX(顧客体験)です。

例えば、これまでお客様とのやり取りを電話あるいはメールで行っていたが、チャットツールであるLINEでやり取りをできるようにします。そうすることで、時間のラグがあったコミュニケーションを短時間でレスポンスを返すことができるようになります。

この結果、コミュニケーションが早くスムーズにできるという新しいCXが生まれます。

デジタル化が急速に進む中で、上記のようなCXを提供できることが、今後の業績に影響することは避けられません。

どのようなCXであれば、業績を上げていけるのかという観点も合わせて考えていきます。

 

ステップ5.業務プロセス毎に注目すべきKPIを設定する

上記の手順を踏み、次に業務プロセス毎にKPIを設定します。

業務プロセス毎にKPIを設定することで、デジタルツール導入後の粗利や、総労働時間を管理していきます。

デジタルツールの導入後の変化として大きいのは、ムダな業務フローや時間の削減です。

これにより、総労働時間を削減し、これまで時間をかけるべき業務への工数を投下することができるようになります。

結果的に、粗利を増加しさらに総労働時間を削減することで、生産性の高い企業へと

成長していきます。

 

4.まとめ

いかがでしたでしょうか?

DXの成功に欠かせないファーストステップであるDXの戦略の描き方についてご説明いたしました。DXの実現が、今後の業績を左右することは周知のとおりです。

振り返りになりますが、DXを推進していくうえでまず初めにDXの戦略を描く、具体的には、DXジャーニーマップを作ることから始めることはいかがでしょうか?。

部分最適ではなく、会社全体最適のDXジャーニーマップを作成することで、推進段階での方向性のずれがなくなります。その結果、スムーズで着実なDXへと導くことができます。

 

もし、自社のDXジャーニーマップの作成方法が分からない経営者の方がいらっしゃいましたら、弊社では、DXジャーニーマップ作成のワークショップを実施しています。

ぜひ、社内のDX推進メンバーの皆様でご参加いただき、DXへのファーストステップへと踏み出してみませんか?

 

 

また、自社のDX戦略の描き方やDX実現に向けて、どのように取り組めばよいのか具体的にイメージできない方は、無料個別DX相談を実施させていただきますので、お問い合わせください。

無料DX経営相談

 

この記事に関連したコラム

デジタル時代に相応しいカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)の作り方

https://digital.funaisoken.co.jp/column1/20190910/

生産性を上げることに必要な3つのポイントと1つの重要指標

https://digital.funaisoken.co.jp/column1/20210322/

 

著者情報

横窪 勇太

株式会社船井総合研究所
ECグループ アソシエイト

横窪 勇太Yuta Yokokubo

明治大学政治経済学部を卒業後、2020年に船井総合研究所に新卒で入社。入社以来一貫してデジタルマーケティングに従事し、これまで、士業・保険代理店・自動車・食品・小売・不動産・専門サービス業のWeb・SNS広告運用、Webサイト・メディアサイト立ち上げ・活性化などを経験。2021年よりBtoB、BtoC向けのEC立ち上げ・活性化を中心に行っている。