1.中小企業のテレワーク導入を成功させる必須ツール
昨今のコロナショックによって「今までの働き方を見直そう!」という取り組みが大企業・中小企業問わず進んでいます。その中で話題になっているのが「テレワーク」です。
テレワークとは、”tele”:離れた所と”work”:働くを足し合わせた造語で、PC、スマホ、電話、メールなどの情報通信技術(ICT)を用いて、従来までの決まった時間にオフィスで働くという働き方の脱却を目的とした新たな働き方を意味しています。
DELLとEMCジャパンの調査によると、2020年7月時点での中小企業のテレワーク導入率は36%であり、緊急事態宣言が発令された2020年4月時点の13%と比較すると大幅に飛球していることが分かります(1)。しかしながら、ドリーム・アーツの調査によると大企業のテレワーク導入率は2020年4月時点で84%であり(2)、大企業と中小企業の間には以前とした差が見られます。
出典:
(1)https://blog.dell.com/ja-jp/survey-telework_20200729/
(2)https://www.dreamarts.co.jp/news/press-release/pr200514/
2.なぜテレワークが必要なのか
ではなぜ企業はテレワークを導入するのか、そこにはいくつものメリットがあります。本記事ではその中でも3つのメリットについてご紹介します。
1つめはコストの削減です。テレワークを導入することで、従業員の交通費が不要であり、オフィスの電気代、事務用品などのコストが削減できるといったメリットがあります。
2つめは人材の確保です。従来ではオフィスに出社する必要があったため、遠方に在住している人財を採用することは出来ませんでした。しかしながら、テレワークを導入することによって「勤務場所」という制約がなくなり、遠方に在住する優秀な人財を獲得できるようになります。
3つめは生産性の向上です。外回りが多い職種の場合、移動中のスキマ時間を業務に回すことが可能となり、より多くの顧客との接点を持つことが可能となります。また、1人で集中する必要がある業務などの場合には、自身が集中できる環境で業務を行うことが出来る為、結果として生産性の向上が可能となります。
これらのように、テレワークには導入によって様々なメリットを生み出すことが出来る為、導入が推奨されています。しかしながら、テレワーク導入による社員間のコミュニケーションの減少・勤怠管理・労務管理など問題点によってテレワークを取りやめるという企業も出てきていることから、テレワーク導入を失敗しない仕組み作りが求められます。そこで、本記事ではテレワーク導入を失敗しないための必須ツールと導入すると便利なツールをご紹介します。
3.テレワークに最低限必要なもの
リモートワークを導入するにあたり、問題となる点は主に
- ・情報漏洩
- ・勤怠管理
- ・コミュニケーション
の3つです。上記の問題を解決するために、導入が必須であるツールをご紹介します。
1つめは「自宅で使用できるPC」です。リモートワークを行う上で1番重要であるPCですが、リモートワークを実践している企業の中には、社員の私用PCを業務に使用しているところも少なくありません。しかしながら、業務で用いる社外秘の情報をセキュリティが厳重であるか分からないPCで取り扱うことは大変危険です。揃えるにはコストがかかりますが、業務を行う上で欠かすことが出来ないからこそ、セキュリティを万全にしたPCをテレワークを行う人数分しっかり準備しましょう。また、USBやHDDなど私用の外部記憶媒体も盗難や紛失といった情報漏洩のリスクが高いため、なるべく使用せずクラウドなどのオンラインストレージを用いることをお勧めします。
2つめは「インターネット環境」です。PC同様インターネットはテレワークを行う上で必要不可欠なものですが、場所や回線の種類によって性能が大きく左右されます。テレワークでオンライン会議や大容量のファイルをやり取りするためには安定した回線状況が求められるため、質の良いインターネット回線を契約したり、出先でもネットに接続できるようにポケットWi-Fiやテザリング機能を有するスマートフォンなどのモバイル端末の導入を生産性やセキュリティの観点からお勧めします。
3つめは「勤怠管理システム」です。出社をしないからこそ、しっかりと勤務しているか把握しづらい点がリモートワークのボトルネックになります。メールやチャットを用いて「今から勤務開始します。」や「○○時に退勤します。」などのメッセージを送って勤怠管理をしている企業もありますが、見逃しや送信エラーなどで厳密な管理が難しい点も存在しています。生産性管理や労務管理といった厳密な対応が求められる箇所には、1つの機能に特化したシステムを用いることをお勧めします。勤怠管理システムは数多く存在しており、その機能もそれぞれ特徴がある為、自社に最適なシステムを採用しましょう。
4つめは「オンラインコミュニケーションツール」です。各自が異なる場所で業務を行うことから、従来までの社内での対面コミュニケーションが少なくなっていきます。チームで連携して業務を行う際にコミュニケーションは非常に大切な行為であり、ビジネスチャットやオンライン会議システムなどICTを用いたコミュニケーションが求められてきます。業務連絡や資料の共有、ミーティング、懇親会などはオンラインコミュニケーションツールを使用して生産性を向上させることが可能となります。
4.テレワークの質を上昇させる便利ツール
こちらで絶対必要!という訳ではありませんが、あると生産性の向上に繋がるツールについてご紹介します。
1つめは「マイク付きイヤホン」です。リモートワークで使用されているPCがマイクやスピーカーを搭載していない機種である場合も多々あります。また、搭載している機種でもマイクが音を拾い辛かったり、逆に周囲の雑音まで拾ってしまったり、スピーカーでは周囲の音に影響を受けてしまい音声が聞き取りにくかったりといったオンラインでの通話に支障をきたしてしまう恐れがあります。上記のようなケースの場合にマイク付きイヤホンを使用することで、快適な通話を行うことが出来るようになります。
2つめは「机と椅子」です。社内で業務を行うためにオフィスデスクとオフィスチェアがあるように、自宅でも「業務を行うための環境」が大切になってきます。日常生活の際に使用するのとは異なり、数時間椅子に座り続けるため身体への負担がかかってしまいます。大きな負担は業務へ悪影響を及ぼすことから、業務を行うためになるべくしっかりした机・椅子など環境作りを行うことが生産性向上に繋がります。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか?コロナによって急速に浸透し出したテレワークですが、まだまだ不鮮明である部分も多く導入に踏み切れていない企業も多いかと思います。しかしながら、テレワークはこれまでの働き方を根本から変えるものであり、今後も政府による推進が見込まれます。テレワークの導入はツール以外にも社内の理解が大前提になります。本記事で紹介したツールを用いて社員全員が働きやすい環境を実現させていきましょう。
著者情報
株式会社船井総合研究所
ECグループ アソシエイト
横窪 勇太Yuta Yokokubo
明治大学政治経済学部を卒業後、2020年に船井総合研究所に新卒で入社。入社以来一貫してデジタルマーケティングに従事し、これまで、士業・保険代理店・自動車・食品・小売・不動産・専門サービス業のWeb・SNS広告運用、Webサイト・メディアサイト立ち上げ・活性化などを経験。2021年よりBtoB、BtoC向けのEC立ち上げ・活性化を中心に行っている。